大都市の上空をヘリが舞う。
報道カメラが、その場所を映し出す。
経済成長を遂げた日本が抱え込んだ唯一にして最大の負債。。

『禁止区域』

人間として認められない者たちが逃げ延びる最後の砦。
数千名にも及ぶ警察官が、禁止区域を包囲していた。

『禁止区域強制退去法案』執行の日。
それは禁止区域に住まう
住人達を一人残らず捕獲する計画であった。

間もなく追いつめられるであろう、禁止区域の住人。
彼らは責められるために生まれてきたわけじゃない。
ただ生きたかった。
束縛されず、己が意志のまま、ありのままに。
ただ人として認めてもらいたかった。

やがて……突入の時刻がやって来る。

―――それは海斗たちにとって、日常の終わりを告げる瞬間であった。